青年の動きにいつでも反応できるよう、
鎌を引き、低く腰を落として、
獲物に飛びかかる直前の獣のように、力をためる。

目をすがめ、その様子を子細に眺めた青年は、
やがて皮肉な薄笑いを唇の端に浮かべ、
喉元でくつくつと含み笑いながら、つぶやいた。

【ソル】
「いかに幼く見えようと、
 狼の仔は狼、ということか……」

【ソル】
「必中の一撃をかわされ、本気になったか?
 誇りを傷つける相手には、
 容赦なく牙を剥く――とでも言いたげな目だ」

【ソル】
「敵の実力に触れて本気になるほど、
 魔術戦には不可欠な冷静さを取り戻すとは、
 侮りがたい相手だな、お前は――」

【唯】
「…………」


【ソル】
「だが、そういう誇り高い目を持った人間ほど、
 そのプライドを踏みにじり、
 徹底的にいたぶってやりたくなるものだ」

【ソル】
「お前が私を挑発した……覚悟しておくがいい」

【唯】
「――!?」


何の予備動作もなく、青年が軽く掲げた手のひらで、
突然、術式発動の魔法陣がまばゆく輝く。




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