【望】
「はい! あの、ぜひ見て下さい……!」


望はぴょこんと席を立ってベッドのそばに駆け寄ると、
ベッドの下に隠した包みをそっと取り出す。

望が丁寧な手つきで慎重に包みをほどくと、
年代を感じさせる革装丁の古びた表紙が姿を現した。

【望】
「これが、僕の大切な……天使の本です」


望がひどく大切そうに胸に抱えたその本を、
痛めないよう広げるために、
皿やティーセットをすべてテーブルの上から取り払う。

そうして綺麗に片づけられたテーブルの上に、
望は抱えた本をそっと置いて、伶の前に差し出した。

【伶】
「これはまた……ずいぶんと古いものだね。
 何やら由来や歴史のありそうな本だ」

【望】
「とても貴重な文献だと、
 本を譲って下さった人が、そう言いました」