【???】
「伶さま、おはようございます!
ごらんになって下さい、空があんなに青いですよ。
今日も良いお天気になりそうですね」
優しく、そして朗らかに、
伶の名を呼んで微笑みかける少女の顔に、
覚えがない。
【伶】
「……君は、誰だ」
【真璃絵】
「あ、すみません、ご挨拶が遅れました!
初めまして、 宮代 真璃絵 ( みやしろ まりえ ) です。
わたしは伶さま専任のおそば付きメイドです」
【真璃絵】
「伶さまのお世話をするようにと、
言いつかっております。
ご用の際は何でもわたしにお申し付け下さい」
【伶】
「専任のメイド……僕の世話を、君が」
【真璃絵】
「はい、伶さまにお仕えします!
伶さまがこの館で快適にお過ごしになれるよう、
わたし、精いっぱい努めます」
【真璃絵】
「まだ未熟者ですので、
至らないこともあるかもしれませんが、
どうかよろしくお願いします」
【真璃絵】
「……お館へようこそ、伶さま。
伶さまのお越しをお待ちしておりました。
心から歓迎いたします」
【伶】
「真璃絵……」
【真璃絵】
「はい、伶さま、なんでしょう!」
【伶】
「さっきから君が靴の下に踏んでいる上着を、
取ってくれないかな」
【真璃絵】
「ひゃあ、す、すみません……!」
back
|