立ちすくむ暁人に向かって、少年が静かに振り返った。

白に近い銀の髪と、見たことがないような赤い瞳を持つ、
人形のようにつややかな外観の少年だった。

右手にたずさえられた長剣が、
この少年を“常ならぬ異質の存在”と思わせることに
拍車をかけているようだ。

【少年】
「……クガミ、アキトさん」

【暁人】
「……!」

少年が、暁人の名を呼んだ。

まったく面識がないはずの相手に名を呼ばれ、
暁人は混乱する。


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